医療現場で働く医療コーディネーターが知っている医師の現状
医療相談の専門家、広島の医療コーディネータの藤原です。
今日は埼玉の病院で医療コーディネーターをしている、菊池友江さんのフェイスブック記事で見た医療コーディネータ記事から。
医療現場の現状を紹介します。
私は、日常の中でお客さんの困りごとの医療関係相談を受けることはありますが、
菊池氏は病院内で働く医療コーディネータです。患者さんの悩みを聞きつつ、医師の側に常にいる人です。
医師は限られた時間に多数の患者を診察、診断、治療をしなければならない現状を知っています。日本は諸外国に比べると医師ひとりあたりの患者数が飛び抜けて多いとか。
彼女は、現場の看護師の意見として「待ち時間が少ない病院なんて不可能、優しくて優秀な医師はたくさんいるが、待ち時間を考えたら外来はパンクして機能しなくなる、それは病棟でも同じことだ」といっています。
患者の思いを汲み取りじっくり診察してわかりやすく説明して、同意を得て納得して治療をうけてほしいという医師は多いのでしょうけれど、そうはできていないというのが現状。
医師は短時間で今後の治療方針などの選択を患者の自己決定権として患者に選択を迫ります。
そうすると、患者さんは短時間のうちに言い渡された難しい医療用語が入り混じった説明の中から、自分が決めなければならないことを短時間で選択することになってしまいます。
菊池氏は「医師と患者の間に橋渡しをする立場の人がいてくれたら」という意見をよく聞くそうです。
そして彼女自身、医師と患者の間に立ち、医師が短時間で説明した難しい医療用語を優しくひもとく存在、
自分で治療選択などの意思決定を行えない患者さんを支える存在が必要で、
そのような患者さんを支える医療コーディネータの存在はことに必要になってきていると感じているそうです。
菊池氏のように医療現場で働き、常に患者さんを支える存在の医療コーディネーターもいれば、
私のように親戚と名乗って、転院先の決定時とか、病院に付き添って今後どうするかの説明に立ち入ったりする、
時々医療コーディネータもいます。
忙しい医師がいて、
自己決定を迫られる患者さんがいて、
困ってるので助けになって!という人がいる限り、その人の側にいて、その人の助けになる存在でいたいという思いが、医療コーディネーターの同士にはあります。
医療相談を受ける医療コーディネーターの仕事とは
医療コーディネーターのお仕事について。
医療相談の専門家、広島の医療コーディネーターの藤原です。
病院に行った先の医師の説明不足で治療選択できずに困ったとき、この病気はどこでみてもらったらいいのか悩んでいるとき、急性期病棟で退院をせまられた時、経済的、精神的、家族問題があり、病気を抱えたままどうしたらいいかわからず、困ってしまったときどうしていますか?
抱え込まずに相談できるところを知っていますか?
相談者の相談にのり、不満を聞き、家族間、医師との関係に問題を調整するお仕事を医療コーディネータと名乗る人たちがしています。
このような関係調整のお仕事は、医療コーディネーターと名乗る人たちだけではなく、実は院内や市や県の行政でもされています。
地域の行政では、いろいろな相談窓口があり、無料で相談にのってくれる体制が整っています。また、大きな病院であれば相談室が設置されているので無料相談窓口に相談することもできます。
しかし、このような仕組みをしらない方が大勢いらっしゃるようですし、医療コーディネーターの存在を知らない人も多数いらっしゃいます。
私の医療コーディネーターの同期生には、
普段から患者さんの悩み、家族関係、医師との関係においての患者さんの悩みを仕事として聴き続けている
病院外来の看護師、病棟勤務の看護師、行政の窓口の看護師、薬剤師、介護士、社会福祉士、看護師のトップを勤めていた看護師がいます。
関係調整といって、悩み事を解決する仕事にもいろいろな問題があって、行政で関係調整をされている方に聞くと、個々人で思うように働けない行政の壁があるようです。
また、相談室勤務の看護師以外の看護師によると、患者さんへの処置、投薬、説明その他多くのお仕事に時間がとられるため、本当は話を長くきいてあげたいけど、十分に患者の悩み不安を傾聴する時間がないようです。
医師も忙しいので、多くの医師は患者さんの不安を受け止めつつ、今後の治療方針などの説明を時間をかけてできないのが現状です。
医師は診断、治療ができる唯一の専門家ですので、患者さんが納得いくほど説明に時間をかけている暇があったらというか、暇なんて全然ない人が多いのです。
そのような現状の中で、
相談者の不安や悩みを解決するために時間をかけてとことんお話を聞き、家族、医師との間の関係に問題がある場合には、医療相談を時間をかけて受けることのできる院内または院外の医療コーディネーターが間に入り
治療選択、退院の選択をせまられている相談者には、意思決定をお手伝いし、
病気になったために就労問題、経済的困窮、精神的問題が生じた人のためには解決するのに適切な場所につなぐサポートをするのが
医療コーディネータの仕事です。
患者さんやその家族の不安や心配を解消するために、ずっと相談者の気持ちに寄り添いつづけ、サポートすることができる仲間がたくさんいます。
病気で生じた悩み事をどうしたらいいのか困っている人へ
身近な行政、病院の総合相談窓口、医療コーディネーターにご相談を
不安な気持ちが誰かに相談することで軽くなることを願って。